「写真の日」(写真供養)を終えて

目次
1.写真の炎
2.写真が教えてくれるもの
3.未来への贈り物
写真の炎

私たちは、無数の「ありがとう」を写真に託して生きてきました。
戦地へ向かう前の先人の横顔。幼い頃の両親の無邪気な笑顔。白黒の結婚写真。
そこに写る人々は、まさに私たちのルーツそのものです。
『おくってフォトブック』に寄せられるご依頼者の多くが、写真供養を希望されます。なかでも「全部おまかせコース」を選ばれた方の約80%が、写真をしっかりと見送りたいと願っておられます。
写真のお焚き上げとは、モノではなく「想い」を送り出す儀式。燃える炎に手を合わせながら、「おじいちゃん、ありがとう」「お母さん、大好きだったよ」と心の中で伝える…。6月1日「写真の日」に行われた儀式は、静かで尊い「第二の供養」。写真の炎は、敬い、労い、感謝する気持ちの証なのかも知れません。
写真が教えてくれるもの
フィルムを現像に出していたあの頃。一枚の写真には、期待と不安と、そして確かな喜びが宿っていました。時代は進み、写真は気軽にスマホで何百枚も撮れるようになりました。そして、スマホはもちろん、パソコンやクラウドに、静かにどんどん溜まっていきます。見返されることもなく…。
あの一枚の重みは、どこへいったのでしょうか?データとして残すことは、とても大切なこと。けれどそれだけでは、心は震えません。だからこそ、ページをめくるフォトブックが必要だと考えます。思い出を自分の手で選び、物語として閉じ込める。その過程こそが、人生を振り返るかけがえのない時間になります。機械の中で眠らせるだけではもったいない。「大切だった」を、「これからも大切にしたい」へ…。写真整理は、心の棚を整える作業なのではないでしょうか。
未来への贈り物

昭和から平成、そして令和。時代の流れと共に、私たちの暮らしは大きく変わりました。特に昭和時代、日本の家庭に写真が爆発的に増えた背景には、カメラとフィルムの普及があります。それらのアルバムには、家族の喜びや悲しみ、笑顔が詰まっています。
でも、そのアルバムを開く時間がどれだけあるでしょうか?重くてかさばるアルバムは、押し入れの奥にしまわれ、存在すら忘れ去られることもあります。それでも写真は、確かにあなたの家族の物語を宿しています。
『おくってフォトブック』が目指しているのは、その物語を「未来への贈り物」としてしっかりまとめて残すことです。選りすぐりの写真を選別し、アルバムの良さを保ちながら、コンパクトなフォトブックに仕上げる。それは、次の世代にとって「見やすい教科書」となり、先人達の愛情を伝える最も優れた媒介となるでしょう。
人生の振り返りは、未来への準備でもあります。あなたの家族の物語を、ぜひ私たちと一緒に未来へつなぎましょう。それは、きっと誰かの心を励まし、安らぎを与える存在になるはずです。