「データだけでは怖いから…」懐かしい写真を残す大切さや、デジタルデータに頼る危険性についてのお話です。
子どもたちへのプレゼント
兄弟二人のお子さんの写真をまとめたいと、女性からご注文をいただきました。9冊のアルバムには、お兄さんの誕生から高校卒業まで、弟さんも誕生から高校入学までの写真が整然と貼られています。
お兄さんが1984年生まれなので、現在39歳。ご依頼いただいたフォトブックは、お母さんから子どもたちへのプレゼントなのだそうです。
たぶんなんらかの理由で、改めて家族の絆と愛情を確かめ合う必要性を感じられて、『おくってフォトブック』にご依頼いただけたのではないでしょうか。
プレゼントをもらったお子さんが絶対喜ぶとてもいい選択で、きっと一生の記念になることでしょう。
9冊のアルバムには1,367枚の写真が納められていて、今回はお兄さんと弟さんそれぞれ1冊ずつにまとめて、約300枚の写真が掲載できるハードタイプ60ページのフォトブックを2冊制作することとなりました。
ところで、このお客様に写真整理のご要望を伺っていた際「データだけで残すのは怖いから…」とお話されていたのが気になりました。
最近ご依頼いただくお客様の多くが、同じようなことを言われるのです。
やっぱりデジタルデータだけでなく、保険としてアナログでも残しておくと安心できるから…だと
それなりに納得していたのですが、そんな矢先に私のスマホが壊れてしまいました…。
データ消滅の危機
私の場合、スマホをケースに入れて使用していたのですが、ある日いつものようにケースの蓋を開けても電源が入りません。
あれ?っと思い、蓋をパカパカ何度も開け閉めしても電源が入りません。
オカシイと思いつつ、手の施しようがありません…。
あきらめてそのまま放置して、15分くらい経って蓋を開けてみると、何事もなかったように電源が入り、とてもご機嫌な「ウェルカム」状態。
さっきのは何だったんだろう…?と疑念を抱きつつ問題なく使った後に放置。
その後また使おうと蓋を開けると、再び電源がはいらない…。
そんなこんなを繰り返しわずかな希望を捨てきれず2週間粘りましたが、とうとう着信が確認できるにもかかわらず電話に出ることができなくなったため、見切りをつけて修理するためショップを予約。
その頃はまだ新型コロナの余韻が残っていたため、いきなり店頭に行くのはNGで、事前予約をしないとダメでした。
したがってポンコツのスマホとさらに5日間、付き合うことに…。
5日後ショップに行って、症状を説明。
「何年使われてますか?」と聞かれ、3年くらい…と適当に答えると、ちゃんと調べられて4年半使っていることが判明。
修理してくれるものと思っていましたが、「4年半も使っていれば替え時です」とのこと。
直るか直らないか分からない日々を過ごすより、とっとと新しいモノに替えましょうということのようです。
スマホが無い日々を想像すると超不便。
さらにそこで頭をよぎるのは「データは大丈夫なのか…」ということ。
ショップの方に「データは大丈夫なんでしょうか?」と聞いてみると、今ならバックアップをとって、移せますとのこと。
ホッと安心しつつも“今なら”というセリフが何度も頭の中でこだまします。
“今なら”写真をはじめ、すべてのデータを移せることができるけど、ぐずぐずしていて完全に壊れてしまうと、データを移すことが不可能になってしまいますよ、さぁどうしますか、ということです。
これまでデータの引継ぎ引継ぎを繰り返し、壊れかけのスマホには10年分のさまざまなデータが保存されています。
ということで、しぶしぶ機種変更することに…。
今回のトラブルを経て、お客様がよく口にされる「データだけで残すのは怖い」を身をもって体験することに。
そう、データは、ある日突然消滅してしまうことがあるのです。
時代に逆行するようですが、デジタル写真も紙に出力しておくと安心です。
なんせ紙の歴史は古代エジプトのパピルスからはじまり、2300年以上。それに比べてデータはたかだか40年程度です。
ある説によると、昭和のプリント写真時代の人より、現代のデジタル写真時代の人の方が、自分の赤ちゃんの頃の写真を持っていない人が増えるのでは…そんな心配までされているそうです。
考えてみればそうですよね。私たち昭和の人間は赤ん坊の頃はプリント写真。プリント写真が無くなるのって、誤って捨ててしまうか、火事ぐらいしかありませんが、デジタルデータの場合、データ消滅の危険性は随分高まります。操作ミスによる消去、機器の故障、クラウドなどの障害など、データだけに頼ってしまうと、何の前触れもなく、大切な思い出が消えてしまう可能性があるのです。
経験を通じての実感
そこで私たちが推奨しているのは、大切な思い出の写真を“データと冊子、2つのカタチで残す”です。
ちょっと手を伸ばせばいつでも手軽に振り返ることができる冊子と場所を取らないデータ。
二度と取り戻すことできない貴重な写真を、2つのカタチで残すことで、思い出との新しい時間と安心感が生まれます。
お盆に語り合う
新型コロナが収束し、社会が落ち着きを取り戻した今年のお盆は、故郷に帰省される方も多くおられると思います。
3年ぶりの再会の際、懐かしい写真を囲んで語らうことは、親族ならではのコミュニケーションです、ぜひとも行ってください。ただその前に、古い写真やアルバムをキレイに整理されたフォトブックに再編集しませんか?
今なら、お盆に間に合います。
3年ぶりの再会、心なごむ懐かしい話に花を咲かせましょう。